シルク水の驚異的な効果!敏感肌・赤ら顔に優しい化粧品の秘密

化粧品の主成分は「水」



化粧品において最も基本的かつ重要な成分は水です。多くの化粧水や乳液、クリームには、80%以上が水で構成されており、これは肌への浸透性を高めるための重要な役割を果たしています。水は、必要な栄養素や有効成分を肌の角質層に届け、乾燥や肌荒れを防ぐのに不可欠です。

真皮では約70%存在する水分量が表皮の基底層から角質層に向かうにつれて減少し、角質層においては約10%-30%とされており、角質層が極めて有効な水分保持機能および水分蒸散抑制機能を発揮していることから、水バリア機構の主体が角質層であると考えられています。

敏感肌や肌の赤みが強く出てしまう赤ら顔の方は肌の水分量が低下し、バリア機能が弱くなっている状態です。
これは、皮膚の水分保持能力が低下し、乾燥しやすく、刺激に敏感になりやすくなっているということです。

肌のバリア機能は肌の水分量と密接に関係しており、化粧品に含まれる水が非常に重要な働きをするものと考えられています。

しかしながら、肌が弱っている状態の敏感肌や赤ら顔の方にとっては、「水」では十分な効果をもたらすことは難しい場合もあります。

一般的に化粧品に用いられる水の多くは精製水といって、水道水をろ過してつくった純度の高い水となり、広く用いられています。
医療現場でも使われる程、安心できるものですが、ミネラルや保湿を促す成分が入っているわけではありません。その他には、海洋深層水や深層地下水などもあります。

現在注目されているのが、「シルク水」です。シルクを原料としたこの水溶液は、精製水と比べて高い保湿保持力や修復効果が証明されており、多くの化粧品に配合されるようになってきました。
シルク水は、肌への浸透性が高く、長時間潤いをキープできる優れた特性を持ち、天然由来のため敏感肌やアレルギー肌の方でも安心して使用できる点が魅力です。

今回はそんなシルク水についての特徴をわかりやすく紹介していきます。

 


 

目次

1.シルク水の基本とその魅力:水にシルク由来の美容成分をプラスした秘密

2.シルクを生み出す蚕の生態系とその重要性

2.1 蚕の生態と繭の自然生成
2.2 蚕が作り出すシルクの構造と特徴

3.シルクの主要成分:セリシンとフィブロインの役割と美容効果

3.1 セリシンの保湿と肌修復作用
3.2 フィブロインによる肌の弾力性強化

4.シルク水の美容効果とシルク水化粧品の選び方

5.まとめ:シルク水がもたらす美肌の未来とスキンケアの新常識

 

 

1. シルク水の基本とその魅力:水にシルク由来の美容成分をプラスした秘密

シルクは、主に蚕(カイコ)が繭として作り出す天然素材であり、その成分は古くから高級衣料品や医療素材として利用されてきました。シルクを作っていく流れの中で産出される副産物のうち最も多いのが、精錬時に排出される多量のセリシンを含んだ「水=シルク水」です。
シルク水には肌の美容に効果的な成分が多様に含まれています。

現代のスキンケアでは、その優れた特性を活かして、美容成分として抽出し、化粧品に応用しています。シルク水には、保湿効果のほか、肌の再生や修復促進、抗炎症作用など多くのメリットがあります。

この水にシルク由来の成分を加えることで、肌の角質層に深く浸透しやすくなり、長時間にわたる潤いを実現します。また、肌表面には薄い保護膜を形成し、外部刺激や乾燥から肌を守る役割も果たしています。

特に、敏感肌や赤ら顔は、肌内部の水分不足やバリア機能の低下が原因になるケースが多いため、シルク水を含む化粧品は、その改善に効果的です。

1.1肌トラブルが改善しきらない理由は水分の蒸発

肌の水分は常に表面から蒸発しているとされており、内側を保湿していくことに加えて、保湿した表面からの蒸発を防ぐ必要があります。
そのため、保湿した後にその水分を持続し続ける必要があります。
通常の水に比べて、シルク水はこの水分を持続する力が高いことで知られています。

1.2水分の蒸発を防ぐためのスキンケア

テーマがやや脱線しますが、大切なことなので紹介します。
水分の蒸発を防ぎ、保湿された状態を維持するためのスキンケアとして挙げられるのが、

  • 洗顔やクレンジング後、速やかな保湿を行うこと
  • 化粧水はコットンとハンドプレスを使い分けて行うこと
  • 週に1度はスペシャルケア

というものが挙げられます。

洗顔後やクレンジング後の肌は水分が蒸発してしまいやすい状態であるため、速やかに保湿をすることが重要です。もちろん、クレンジングの中にも保湿力が優れたクレンジング剤などもありますので、以下のコラムを参照してみてください。

赤ら顔をメイクで上手に隠す方法とクレンジングのポイント|敏感肌に優しいスキンケア術




化粧水を肌に浸透させていく際に、コットンを用いることで満遍なく肌へ塗布することが可能になりますし、ハンドプレスを行うことでより深く浸透していくというそれぞれの特徴があります。
そのため、初めはコットンで全体をケアし、最後にハンドプレスで丁寧に肌内部に水分を届けるようにケアするのが理想です。
なお、浸透させようと強く肌を擦ったりすることは肌にとっては一番のNG行為なので、間違えたケアをしないように注意しましょう。

週に一度はコットンを使ったスペシャルケアをしてみるのも良いです。
化粧水でひたひたにしたコットンを肌にのせ10分ほど保湿します。
その後は通常のスキンケアを行いましょう。

 


 

2. シルクを生み出す蚕の生態系とその重要性


シルク水を正しく理解するためには、シルクを生み出す蚕のことを理解するのが一番です。
蚕の生態系や特徴を見ていくと、驚くべき事実が見えてきます。

2.1 蚕の生態と繭の自然生成

シルクを生産する蚕(カイコ)は、古代より養蚕技術によって育てられてきた昆虫です。蚕の幼虫は、桑の葉だけを餌として成長し、一定の大きさになると糸を吐き出しながら繭を作ります。この繭は、蚕の幼虫が自らを守り、成虫までの期間を過ごすための保護殻です。

蚕は約2週間から1か月の間に繭を作り、その中で繊維状のタンパク質、すなわち絹糸を生成します。この絹糸は、その長さが数百メートルにもなるほど細く、強く、しなやかです。

2.2 蚕が作り出すシルクの構造と特徴

蚕が作るシルク糸の最大の特徴は、その高い弾力性と耐久性にあります。この絹繊維はアミノ酸が規則的に配列されたタンパク質繊維で、その構造は非常に緻密でありながら、しなやかさも持ち合わせています。この特性が、古くから衣料品や医療用素材として愛用されてきた理由です。

さらに、シルクの成分には美容に有効なアミノ酸が豊富に含まれており、肌への吸収性が高いことも特徴です。これらの成分は、保湿・修復・抗炎症作用を促進し、肌の健康維持に大きく寄与しています。

シルクは繭の中の蚕が紫外線を浴びないように守る機能があります。実際にシルク製品を身につけた場合、お肌の大敵といわれるUV-B波(UVB)、UV-C波(UVC)が吸収されて紫外線をカットします。シルクの紫外線カット率は90%前後と、極めて高い数値が報告されており、衣類はもちろん、美容・健康・医療分野でも注目を集めています。

 


 

3. シルクの主要成分:セリシンとフィブロインの役割と美容効果

シルクには多種多様な成分が含まれていますが、その中でも特に注目されるのが「セリシン」と「フィブロイン」です。これらは、シルクの性質や美容効果を理解するうえで不可欠な成分です。

3.1 セリシンの保湿と肌修復作用

セリシンは、蚕が繭を生成するときに分泌される天然のタンパク質です。繭の外側の層に多く含まれ、蚕を外的刺激から守る役割を果たします。

セリシンは、その優れた親水性により、肌表面に薄い膜を形成し、水分の蒸発を防ぐとともに、皮膚の自然なバリア機能をサポートします。この膜は肌に潤いをもたらすだけでなく、乾燥や外的刺激から肌を守る防御壁となります。

また、セリシンは肌のターンオーバーを促進し、古い角質の排出を促すことで、健康的な肌の再生を促します。その結果、乾燥やかさつき、敏感症状の改善に寄与します。

敏感肌や赤ら顔の方のターンオーバーについては以下でも紹介していますので、参考にしてみてください。

【徹底解説】赤ら顔改善に効果的なターンオーバー促進と洗顔法


3.2 フィブロインによる肌の弾力性強化

フィブロインはシルクの主成分の一つで、長いコイル状のタンパク質繊維です。肌の弾力性を高め、しなやかさをもたらします。
さらに、フィブロインは肌に水分を保持し、乾燥による肌の硬化やダメージを軽減します。
また、フィブロインは、肌の表面に非常に薄い保護膜を形成し、外部の刺激や環境ダメージから肌を守る役割も担います。
この特性により、敏感肌やアレルギー肌にも安心して使える成分となっています。

このセリシンとフィブロインという2つの成分が、敏感肌や赤ら顔の方々の弱ってしまっている肌のバリア機能を修復することが期待されています。

 


 

4. シルク水の美容効果とシルク水化粧品の選び方

これらの成分の作用により、シルク水は特に敏感肌や赤ら顔に悩む方々にとって効果的なスキンケア成分となります。

  • 高い親和性と低刺激性:シルク由来のアミノ酸やタンパク質は、人肌に非常に馴染みやすく、刺激性が少ないため、敏感肌の方でも安心して使えます。
  • 潤いを長時間キープ:セリシンとフィブロインの働きにより、水分が肌内に閉じ込められ、乾燥による肌荒れや赤みを抑え、健やかな状態を維持します。
  • 肌のバリア機能向上:セリシンやフィブロインにより形成される天然の保護膜は、外部刺激や乾燥から肌を守る防御バリアとなります。これにより、肌の敏感さや赤みが軽減され、安定した状態を保つことが可能です。


シルクには、自然なUVカット効果も備わっており、外部環境から肌を守る役割も果たします。シルクの繊維には紫外線を反射・吸収する性質があり、軽度の紫外線防護効果があります。
これは、敏感肌や赤ら顔の方にとって、肌への負担を軽減しながら日常の紫外線から守るために大きなプラスとなります。
この特性により、シルク水を使用したスキンケアは、敏感肌や赤ら顔の方の紫外線ダメージを抑えながら、潤いと修復力を両立させることができ、より効果的なケアが可能となります。

シルク水を配合した化粧品を選ぶ際には、いくつかのポイントを意識しましょう。

  • 原材料の表示を確認:シルク由来の成分(セリシン、フィブロイン)が上位に記載されているかチェックします。濃度が高いほど、効果も期待できます。
  • アレルギーや刺激性の少ない製品を選ぶ:敏感肌の方は、アルコールや香料、着色料などが少ないものや、「敏感肌対応」と表記された商品を選ぶとよいでしょう。
  • 使用目的に応じたラインナップ:化粧水や美容液、クリーム、フェイスマスクなど、自分の肌状態や目的に合わせて選びましょう。特に、保湿と修復の両面からアプローチできるアイテムがおすすめです。
 

 

5. まとめ:シルク水がもたらす美肌の未来とスキンケアの新常識

シルク水は、天然由来のアミノ酸やタンパク質を豊富に含み、肌に優しいだけでなく、多機能な美容効果を発揮します。その最大の特長は、肌の潤いを長時間保持し、バリア機能をサポートすることで、敏感肌や赤ら顔の改善に有効なことです。

これからのスキンケアは、「自然」「低刺激」「高機能」が求められる時代となります。シルク水は、これらのニーズに応える優れた素材として、ますます注目されるでしょう。

もちろん、水以外の成分も敏感肌や赤ら顔の方々にとっては重要な要素です。
敏感肌や乾燥肌の方は、肌のバリア機能が低下しているため、刺激の少ない浸透性の高い成分が求められます。

保湿成分として特に知られているのはヒアルロン酸やセラミドです。
それぞれの解説を以下のコラムでしていますので、よろしければ参考にしてみてください。

ヒアルロン酸のすべて:肌に必要な保湿成分が化粧品に与える影響と敏感肌へのメリット

 

セラミドの驚くべき効果|敏感肌・赤ら顔に悩むあなたへ最高の保湿ケア


ご自身の肌状態に合わせて、最適な化粧品を選びましょう。